ん太郎 / ん
ほとんどの美容師が「得意なのはカットです!」と豪語します。一人ひとり異なる骨格や毛流、細部の毛の動き、クセなどを計算し、ハサミ一つで狙った仕上がりを表現していくわけですが、この時に必需品になる道具がシザーとコームです。特にデザインづくりの核になるシザーにはさまざまなタイプがあって、カットシザーだけでもショートからロングまでサイズの違いがあるだけではなく、ハンドル、素材なども含めると本当に多種多様な製品が揃っています。もちろんセニングシザーやレザーなどまで含めると、ホントに選ぶのに困ってしまうくらいです。自分に合ったシザーと出会うことができれば、あとはお客様に喜ばれるスタイルづくりに一直線! これまでも、そしてこれからもスタイルづくりに欠かせないシザーです。
そういえば、カットデザインといえばサスーンから多大な影響を受けている日本の美容業界ですが、今やベーシックカットはデザインカットも含めて考え方やアプローチの仕方が多様になっていて、教育も店単位で異なるくらい幅が広がっています。どれが正解ということではありませんが、あくまでも目的に対して的確なアプローチができていればよいのだと思います。
ここで紹介する 栃木県宇都宮市でサロンを経営する ん太郎さんは『2丁のハサミを使う美容師』。人と違うことをするのが目的ではなく、ヘアスタイルを仕上げていく上で出てきた問題をクリアするために2丁はさみへと向かっていったのです。左右対称に切る、そしてあくまでも手入れ・再現性を高める手段としての選定です。答えを導くための方法はいろいろあって良いと思います。
元プロボクサー。東京で1店舗を経験後、栃木県宇都宮市に戻り、1983年に『ん美容室』(中央町)をオープン。現在は『ん・まちの店』(池上)と『ん・やまの店』(富士見が丘)の2店舗を経営。美容師の顔だけではなく、陶芸家としての顔や、児童養護施設で美容やボクシングの指導をする職業支援をする顔も持ち合わせている。市内では知らない人がいないほどの有名人。
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