原田タダシ / ROSSO
昔はインターネットや携帯電話などのツールがなく、身近な情報の伝達は人を介して行うことが基本になっていました。そのため美容室においてもお客様を呼ぶのは口コミが中心になっていて、人が人を呼び美容室が一つのコミュニティを形成していました。ところがいつの間にか、手からスマホが離せなくなり、欲しい情報は簡単に手に入る世の中になってしまいました。同時に人と人とが直接顔を合わせて話をするという機会がなくなり、場合によっては会話している相手が本当は誰なのかわからないという恐ろしい状況も生まれています。いやいや、話がずれてきてしまったので修正しましょう。
基本的には口コミで集客をしていた美容室でしたが、町に根付いているタウン誌を利用したり、地域限定の美容専門情報誌を利用したり、一般女性誌への掲載などを行いながらお客様へのアピールをするようになってきています。特にここ数年は全国的にネットを利用した集客を行うサロンが増えてきています。特に大都市圏では外部の費用がかかる集客サイトを利用しなければ、経営自体がままならないという事態にまで陥っていると聞きます。人が人を呼ぶのではなく、ネットが人を呼ぶ時代になっているのです。
そんな中、東京都世田谷区北沢に1店舗、杉並区西荻窪に2店舗の計3店舗を経営している原田タダシさんは、西荻窪にサロンをオープンした20年前から今まで、一切広告活動をせず王道の口コミを基本に集客を続けています。唯一利用しているのは、自分たちのスタンスを明確に伝えることができる自社のホームページだけという徹底ぶりです。「とにかく集客することが先にあるのではない」という美容師にとって大事なことを伝えてくれている強さを感じます。
東京に拠点を構えるサロンで13年勤務後、1996年3月28日、東京都西荻窪北に『ROSSO』をオープン。2000年、東京都渋谷区神宮前に2店舗目、2005年、西荻窪北に『Living』をオープンし、世田谷区北沢に4店舗目を2009年にオープンした。現在は西荻窪に2店舗、下北沢に1店舗の計3店舗展開。現在はスタイリスト18名、アシスタント13名の計31名の精鋭が揃っている。
